歓迎
4月は新入生の季節です。学校でも、職場でも、街頭でも、大勢の人が年齢に関係なく、新しい環境にどのように慣れようかと考えていることでしょう。
社会に出て働こうと新しい職場に来た人は、この季節には早速歓迎されます。新入生を迎える職場側は、そこに来た人達がこれから一日の大半を過ごす場所に一日も早くなれてほしいと考えます。そこで新入生に一番先に持ち出されるのが「何をしてほしいか/ほしくないか」です。
先日ある本に「会社で守るべきマナーは数多くありますが、代表的なものをあげれば次のようなものになるでしょう。気づいていない若い人たちのために、書いておきますね」とあって、次の10項が目にとまりました。<>内には私の考えを書きました。
*清潔できちんとした身なりと服装をする。
<「清潔できちんとした身なり」は人によって理解が違うから、どうやって自分が「清潔できちんと」しているかを、まず教える必要があります>
*自分から先にちゃんとした挨拶をする。
<前項同様「ちゃんとした」にも個人差があるのは、彼らが以前バイトをしていた、ファミリー・レストランに行って、後輩を見ればわかりますね>
*私用電話は慎む。携帯電話は切る。
<私のようなオールドタイマーにはわかりませんが、昨今の通信事情は「仕事中私用電話はしない。どうしても必要なら上司や同僚に断って、席をはずして、自分の携帯電話を使う」となるようです>
*遅刻はしない。
<「気づいていない若い人たちのため」なら、何故?も教えるとよいでしょう>
*事情があって約束の時間が守れないときは、必ず連絡を入れる。
<前項とひとつの説明で済みます>
*共用の備品は丁寧に使う。社用の事務用品を私物化しない。
<もとの所に戻す-それが“共用”の意味ですし、使った人が戻せば、丁寧に使ったかどうか一目瞭然でしょう>
*休暇は周りの人と調整して取る。
<新人から「調整しましょう」と言わせれば、それが必要な職場かどうかがわかるはずです>
*上司だけでなく、同僚とでも敬語で丁寧に話す。
<“仕事の話は…”または“仕事上は…”でしょう>
*席を立つときは、行く先や用件、所要時間などを上司や同僚に告げていく。
<仕事の中身や(トイレ行きなど)程度問題があるから、しばらく職場の先輩が新入生に、交代で手本を示せばよいでしょう>
*周りの人に不快感を与えるような表情、態度はしない。
<「不快感を与えるような表情、態度」とはどのようなものかを伝えなければならないから長くなるし、これはむつかしいですよ。差当って新入生に向って「これから1(2・3・4…)ヶ月間は不愉快な感情を持たないように。万一持ったら、私に何が不愉快なのか言いに来なさい」と、避難場所を教えることができます>
新しく職場に来た人に「何をしてほしいか/ほしくないか」は、このほかにもいろいろあるでしょう。しかし一番大切なことは、新入生に向ってまずはじめに「これから教えることは、『マナー』(従うか従わないかは本人が決める)ではなくて、『ルール』(従うか従わないかは本人が決めることではない。従わなければ罰を受ける)」と、はっきり伝えることです。