「規則正しい生活」とは?
はじめてこの章をご覧になる方もおいででしょうから書いておきます。
このシリーズに書かれていることは、内容が結構づくめでも、とてもできそうもない理屈ではありません。あなた(の気持)中心に考えていただくためのものです。
お読みになって、実行する価値がある、実行できるものが見つかったら、それをあなたの手で試してください。この「気持ちを整理する」は他の欄と同様に、それ以上のものでも、それ以下のものでもありません。
さて今回取上げる「規則正しい生活」とは、自分がこれからしようとしていること、つまり、寝る前に明日やることのおおよそが、また、朝起きた時に今日することのおおよそが、あなたに見える生活のことです。簡単なことですが、これができない生活を考えて見るとわかります。
同じように、朝、午前、午後、夕などの時間帯や、食前、食後、往路、帰路など生活の区切りに、「午前中に角のコンビニに行ってコピーをとる」、「夕食の前に、歯医者に行く」など、何をするかがはっきりしていれば、これは規則正しい生活をしていることになります。
これをしているかどうかで、あなたの生活の質が変ります。これをやらないで「人間どうせいつ死ぬかわからない」などと考えるのは虚無的で、その行き着く先は「どうせ、やってもやらなくても…」となる訣ですから、生活がジリ貧になります。
なぜ規則正しい生活をするかといえば、無計画に「あれもしなければ、これもしたい」と考えるばかりで自分を追い詰めて、生活をジリ貧にしないためです。一回に自分に適した量の食事をすれば健康でいられるように、自分に適した量の時間を自分で見つけて使うのです。
時間を使うとは、考えたことを実行するのですが、それはあなたの身体を動かすことです。この実行は「~をする」程度に考えるのがよいでしょう。「~をしなければならない」と考えると、自分に圧力をかけて病気になるのが関の山です。世の中に「しなければならない」ことなんて、そんなに多くありません。自分が「すること」の圧力を感じる限界には個人差があって、個人差があるから一人一人に価値があるのです。普段の生活にゆるやかな予定を立てておくぐらいの、あなたにとっての適度な緊張が、何かをやる気にさせるし、反対に緊張が過ぎると何も手につかなくなります。
身体を動かすことは「気持ちを整理する」ためでもあります。私たちは毎日の生活で絶えず身体の一部を動かしているので、どうせ動かすなら、自分の気持と相談しながら、意識して動かすことが重要です。意識して身体を動かすには、自分にリズムを与えることです。リズムは「動」と「静」の組合せから作られます。作業の合間に、休息/気分転換を入れるなどがそれで、自分固有のリズムをつかめば、身体は動かしやすくなります。
こうして規則正しい生活を構築し続けるのは、自分で自由に使える、整理された気持ちのひき出しの数をふやすのと同じです。誰でも生理的なペースを乱すことがあるわけですから、ひき出しの数をふやしておけば、そのときに自分の気持の動きを元に戻すのに必要なものが、その引き出しからすぐ取り出せるようになるというわけです。
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