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意気地なし

「意気地なし!」、「そんな意気地のないことでどうする!」などは、少年の日に母から

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自分と折合う

人の心にあるものを歌うのが詩人なら「サウイフモノニ ワタシハナリタイ」と、

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「ほんもの」と「にせもの」

以前の職場にこんな先輩がいました。周りの人を見てその値打ちを測るのに

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「自分を愛する」とは?

社会とのかかわりをこれから深める年齢や、すでに世の中とのかかわりの深い年齢で、

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センス・オブ・プロポーション

これは毎日の生活のなかで、私たちが自分にとって重要なこととそうでないこととを

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自分らしく生きる?

近頃「自分らしく生きる」と書いたものをよく見かけます。そうした表現は、

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幸福の「指標」

内閣は国民の幸福実現を政策課題に掲げているそうです。同じような考えが

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常識の範囲

常識はいくら考えても「これが常識だ」と、ひとくちにその範囲を決めるのはむつかしいことです。

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ストレスの時代に

現代の私たちには毎朝起きてから夜床に就くまで、あれもこれもとやることが沢山あります。

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外相もし背かざれば

新しい年を迎えてあなたが何か新しいことを始めようと考えているなら、

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ひとづきあい

「私は周りの人とうまく行かない。これには何か原因があるのではないか」と考える人は昔も今も多いようです。

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個人の価値観

私たちの数少ない持物のひとつに、個人の価値観があります。ここで言う価値観とは

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非難を受ける

江戸時代の末のことです。ある大名家中の江戸留守居役を2人の者が勤めていました。

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あてにする

毎朝目が覚めると、人は寝床の中や、起上って朝の支度をしながら、心に

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「することの目的をはっきりさせる」とは?

はじめてこの「気持ちを整理する」をご覧になる方は、まずこれを読んでください。

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「規則正しい生活」とは?

はじめてこの章をご覧になる方もおいででしょうから書いておきます。このシリーズに書かれていることは

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「自分のために」と気付く

前回この欄で「(あなたが)何をすることが『気持ちを整理する』ことにつながるのかは、この後も

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「選んでいる…」

あるときある所で、何人かがダイエットの話をしていました。代わる代わる、どのようにしたら

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人を見る目

料理修業のためにフランスへ行った日本の若者に向って、見習いに入った料理店の主人が

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共感

親しい人(家族、友人、知人)を一人思い浮かべてください。あなたはその人のやることや

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受け容れる

Aさんの職場の同僚にBさんがいる。BさんはAさんが頼んだことは何でも引受けるのに、

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短気

人間の気質/気性には、いわゆる気が長いと言われるものと、気が短いと言われるものとがある。

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偶然

思いがけないことが起ると人はそれを予期せぬことだからと、偶然と受取る。そして受け取った後に

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無視する

これは世の中が乱れて、盗賊が横行したといわれる鎌倉時代の末期か、戦国時代の話だろう。

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与える/施し

私たちは周りの人達といろいろなやり取りをしながら、毎日暮している。そのやり取りには、形のあるもの

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誤解

人は誰でも相手を誤解することがあります。また人は誰でも相手に誤解されることがあります。

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約束

人は約束をしたと言っては悩み、それを守れなかったと言っては悩む。約束しようか、すまいかで悩む。

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歓迎

毎日の生活の中で、人はある目標に向って骨を折る。つまり努力する、頑張る、耐える、我慢する

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無駄な努力

毎日の生活の中で、人はある目標に向って骨を折る。つまり努力する、頑張る、耐える、我慢する

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親切

親切とは、今何かで困っている人を助けるなど、自分以外の人に向って、何らかの好意を行動で示す

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他の人との距離

ひとは多分4、5歳頃、つまり小学校に入る前後から、自分と自分以外の人は違うのだと気づく。

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悲観と楽観

ひとは自分にとって大切なことをする前に、その結果をすばやく思い描いて悲観または楽観

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後悔と反省

「人はしたことで半分、残りの半分はしなかったことで後悔する」と言った人があるそうだ。

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なつかしい

われわれは誰でも「なつかしい」と感じるものを持っている。それはある人との思い出、場所、

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関心と理解

あることの理解は、それに関心を持つことから始まるようだ。関心と理解は、因果関係でつながっ

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心の平穏

心の穏やかな時、人は自分に対して、いちばんその人らしく行動する。自分のしたこと、

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責任と罪

ニュースは、朝夕新聞を読みテレビを見ているわれわれの誰にも届く。破産する地方自治体

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三分の理

ある時二人の男が山の中を旅していると突然、繁みから熊が出てきた。二人はあわてて逃げ、一人は木に登ったが、

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Pity is akin to ...

Pity is akin to love と言う。あまりお目にかかることのない言葉だが今でも使われる。初めて出会ったのは漱石の「三四郎」の中で、

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他人のふりみて…

「他人のふりみて、吾がふりなおせ」という。 「ふり」とは、「挙動に現れた人の様子」と辞典にあるから、他人

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なくて七癖

「なくて七癖」とは、自分に癖はないと思っているのに、誰にも案外多くあるものだと言っている。手元の国語辞典によると、癖とは

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意気地なし

「意気地なし!」、「そんな意気地のないことでどうする!」などは、少年の日に母から叱咤された言葉です。母の姉にあたる伯母なども、従兄たちに向かって盛んに言っていましたから、当時私の周りでは、女親が男の子をしつけるのになくてはならなかった言葉のようです。「意気地なし」は、男の子のくせに、小さな事に我慢できないで、不平を口に出す、自分がこうと思ったことをできない、自分が決めたことを実行できないダラシのない奴と専ら男子を蔑む<さげすむ>言葉でした。と言っても、この表現は蔑視が目的ではなく、男の子をしつける表現でした。
しつけは、自分の立場、属する階級<これは今でも厳としてあります>や集団、(ぶん)、生物としての(しゅ)<この場合はオスです>と、それらに伴う役割などに応じて、義を立て、名を惜しむ習慣を身に着けさせるのが目的で、これは親の役割でした。
その頃、明治の軍人乃木希典<のぎまれすけ>が、冬の朝「寒い」と口に出して、父親に「この意気地なし」と井戸端に連れて行かれて、頭から水を浴びせられた話などを読んで、「意気地なし」を父親の口から言われでもしたら、それこそ子供心にも大変な恥と思ったことを記憶しています。こうした個人的な思い出とは別に、何しろ恥は日本の文化だそうですから、女性を躾ける言葉も沢山あった筈です。今でも男には我慢が必要だから<女性は「耐える」のでしょう>、それができない者に向かって「意気地なし」と呼ぶのは通用します。

現代の意気地なしに目を向けると、先日の始まった秋の六大学野球リーグ戦で東大との一回戦に負けたワセダの選手が、監督の意向で、新聞の取材の場に出なかったなどは、もしそれが事実なら、その尤たるものでしょう。これは監督が意気地なしと言われてもしょうがありません。ゲームに勝つだけの監督はアマチュア・スポーツにはいりません。また別の例では、大の男がグルメ談義などと「どこそこの何々はうまい」などと話題にするのなども、それが昂じて、食べ物の好き嫌いを安易に口に出すようになるからいただけません。

意気地あるとは、元気のいいことではありません。意気地を持つのは意地を張るのとも違います。迷惑をかけない限り他人の目を気にせず、いつも自分のペースで暮せばそれで充分です。つまりふだんから、自分の立場、属する階級や集団、(ぶん)、生物としての(しゅ)と、それらに伴う役割をわきまえていればよいのです。自分も含めて、他人にできるだけ公正にふるまうこと、その公正とは何かを常に考える生き方をすることにほぼ尽きるのです。
以前もあるところに書きましたが、他人の価値観に同調しなくても、寛容になれない<俗にいうバカになれない人>は意気地なしでしょう。限られたサークル内に暮すと意気地なしになるのは、経営者に意気地なしが多いのを見るとわかります。
なぜ意気地を持つかと言えば、それは回りまわって、あなたが人から公正に扱われる途になって、世の中を公平にするからです。■<101010>